アロマテラピーの方法で最も人気があり、精油の作用を生かすことができるのがアロママッサージです。
マッサージは血液とリンパの循環を促し、副交感神経を働かせ精神、身体の緊張を解きます。マッサージに精油の作用を加える事で、より大きな効果を与えることができます。アロママッサージはストローキングやフリクション、ニーディングなどの手法を組み合わせゆっくりとリズムよく行います。部位によって適切な圧をかけることが重要になります。基本的には血液、リンパ液が末端部位から心臓やリンパ節に向かって流れるようにストロークします。
精油は皮膚に刺激を与えることがあるため、直接肌につけることができません。アロママッサージを行う場合は、必ず植物油を用いて精油を低濃度に希釈する必要があります。精油は脂溶性のため、植物油によく溶けます。また、皮膚は角質層によって水の吸収を防ぎますが、脂溶性成分は容易に吸収します。植物油の成分も表皮から浸透しますが、分子が大きいため血管には入りません。分子の小さい精油成分は真皮層の血管に入り体内中を巡ります。
入浴後は皮膚の温度が高く、角質層に水分を多く含んでいるため精油成分はより浸透しやすくなります。
マッサージオイルの精油の濃度は1%が目安となります。精油1滴が0,05mlなので、植物油10mlに対し、精油2滴をブレンドすると精油1%濃度のマッサージオイルが出来上がります。精油はプラスチック類を溶解することがありますので、マッサージオイルを作る際は、必ずガラス製の容器を使用します。
マッサージオイルは精油、植物油同様、直射日光を避け、冷暗所に保管しますが、一度空気にさらした植物油は酸化がとても早いため、マッサージに必要な分をそのつど作るほうが安全です。
アロママッサージは時折、ブレンドする精油を変えてみることがおすすめです。
アロママッサージの禁忌事項は、傷や炎症のある部位を避けること、発熱、感染症、癌などの場合は行わないことなどがあります。精油の弊害は大きく誇張されていることが多く、アロママッサージで流産を引き起こすなどの危険性はまずありません。最も注意することはアロママッサージの際の接触皮膚炎などで、これはパッチテストを行うことで防ぐことができます。古くなった精油、植物油の使用は避けるべきです。光毒性のある精油を使った場合、12時間は紫外線を避けてください。