吸入は芳香浴と重なるところもありますが、リラックスを目的とし常時香りを広げている芳香浴に対し、吸入は短時間で特定の症状を改善する目的で行われます。呼吸器の不調や精神面の不調に役立つ方法です。精油を服用する経口とは異なり、精油の揮発成分を吸引する方法です。

ティッシュに精油を3滴ほど垂らし、その香りを充分に吸引します。ティッシュをシャツや下着などに挟んでおくと体温によって精油成分が揮発し効果が持続します。その際、精油が直接肌につかないよう気をつけてください。キッチンペーパーのように厚手の紙を使うと香りはより持続します。
綿棒に精油を1滴垂らす方法もあります。精油が1点に凝縮されるため、揮発速度が緩やかになり芳香が持続します。

一般的な吸入は洗面器などにお湯をはり、精油を2滴ほど垂らし蒸気を吸引する方法です。その際、頭からタオルをかぶせ、蒸気を逃さないようにしておくとより効果的です。咽喉痛や咳など呼吸器の不調に役立ちます。これはスチーム効果もあるので肌にとっても有益です。
この吸入はとても効果的ですが、いくつか注意点があります。吸入の際は目を閉じることと、精油は3滴までと控えめにしておくこと、お湯は38-40℃にしておくことです。熱すぎるお湯は精油を含んだ蒸気が強力なため、逆にむせ返ることがあります。子供や高齢者、喘息患者は精油を1滴にし慎重に行ってください。この方法はマグカップでも手軽に代用することができます。

緊急時には精油一滴を手の平に取り、両手で伸ばし、手の平でカップの形を作り吸入する方法があります。道具がいらないためすぐに活用できる方法ですが、精油は植物油に希釈して用いたほうが安全です。