精油に含まれる化学物質の大半は、テルペン系炭化水素かテルペン系炭化水素と官能基の組み合わせによって構成されています。

アルコール類にはモノテルペノール、セスキテルペノール、ジテルペノールがあります。モノテルペノールには皮膚に対する刺激は低く、殺菌、抗ウイルス、抗真菌、強壮作用があります。ゲラニオール、シトロネロール、テルピネン-4-オール、ネロール、メントール、リナロールなどです。セスキテルペノールには危険性が一切なく、優れた強壮作用があります。サンタロール、パチュリアルコール、ベチベロールがあります。ジテルペノールは植物の含有量が少なく、分子が大きいためこの成分を含んだ精油はあまりみられませんが、ホルモン調整作用があります。スクラレオールなどがあります。

フェノール類は強い抗感染作用があり免疫力を強化します。最も刺激が強くこの成分を多く含んだ精油の使用には注意が必要です。アネトール、オイゲノール、チモールなどがあります。

アルデヒド類は強い殺菌、抗真菌、抗ウイルス、抗炎症作用をもちます。皮膚刺激が強いため、アルデヒド類を多く含んだ精油の使用には注意が必要です。揮発が早く、とても酸化しやすい成分です。シトラール、シトロネラール、アニスアルデヒドなどがあります。

ケトン類は去痰、粘液溶解、鎮痛、鎮静、消化促進作用などをもちます。多量のケトン類を使用すると神経毒性を示すため容量には注意が必要です。長期の使用は避けるべきです。カンファー、メントン、プレゴンなどがあります。

エステル類は皮膚刺激が少なく安全で穏和な作用をもちます。鎮静、自律神経の調整、鎮痛、鎮痙などの作用があります。フルーティーな香りがします。酢酸リナリル、酢酸ベンジルなどがあります。

オキシド類は揮発性が高く強い香りがします。去痰、抗菌、抗ウイルス、駆虫などの作用がります。1,8-シネオールなどがあります。

ラクトン類はエステル類に似た構造で揮発性が高くフルーティーな香りがします。粘液溶解作用、抗ウイルス作用などがあります。クマリン、フロクマリンなどがあります。フロクマリンは光毒性があるので注意が必要です。