• 学名: Cananga odorata
  • 科名: バンレイシ科
  • 抽出部位: 花
  • 抽出方法: 水蒸気蒸留法
  • ノート: ミドル~ベースノート

イランイランは熱帯地に育つ常緑の高木から抽出され、生産はコモロ諸島が全体の60%を占めています。
イランイランはフィリピンのタガログ語に由来し、「花の中の花」を意味します。野生のイランイランノキは10mを軽く越えるまでに成長しますが、花の収穫をしやすくするため剪定し、2mほどに抑えられます。イランイランノキは害虫に侵されることがないため、農薬は不要です。
花は1年中咲きますが、雨季と乾季を避けた5~7月、11月、12月の最も収穫されます。
花は木からぶら下がって咲き、6枚の花びらをつけます。夏の初め、黄色い花を早朝に採取した精油が最も最上級となります。

イランイランは蒸留する時間によってもグレードが分かれます。蒸留が始まり、1~2時間の間に抽出された精油は最も品質と香りが良く、エクストラと呼ばれます。
エクストラの後、1時間に抽出される精油はファースト、その後の3時間はセカンド、それ以降はサードと呼ばれ、末尾ほど質が劣ります。蒸留の後半に得られる精油はグレードが低く、カナンガとも呼ばれています。

イランイランは高ぶった神経を押さえる働きがあります。怒り、不安、ヒステリー、パニックなどはもちろん、高血圧、過呼吸、頻拍をおさえる鎮静作用に優れています。
また、うつや性的障害に有益といわれる催淫作用があり、ホルモンバランスを整えます。そのためか、インドネシアでは新婚夫婦がベッドにイランイランの花をまく風習があります。

皮脂のバランスを整えるため、南アジア、ヨーロッパでは整髪料の成分としても使われています。
イランイランは貧乏人のジャスミンと呼ばれていましたが、シャネルNo5や、ディーオールのプワゾンなどの香水にも使われています。
好き嫌いがはっきり分かれる香りですが、柑橘系の精油とブレンドすると受け入れられやすい香りになります。

イランイランとブレンド相性の良い精油
オレンジ グレープフルーツ サンダルウッド ジャスミン ネロリ ベルガモット ラベンダー レモン ローズ ローズウッド