アロマテラピーは体に対してたくさんの有益な効果が望めますが、医薬品ではありません。医師の診断が必要と思われる場合は必ず病院で診察を受けてください。アロマテラピーの基本的な注意事項は常識で考えられることばかりですので、始める前に覚えておいてください。
アロマテラピーの注意事項はほとんどが精油の取り扱いにあります。
第一にアロマテラピーを始める際は、天然の精油を使用することです。精油と同じ名前の合成香料はたくさん出回っていますが、必ず植物から抽出された天然の精油を選んでください。ポプリオイルなどの合成香料には精油の作用は全く望めません。
精油は非常に濃縮されたものですので、原液は直接皮膚につけないでください。また、絶対に精油を飲まないで下さい。
マッサージなどで皮膚に適用する場合は植物油を使って1%程度まで低濃度に希釈してください。植物油も天然のものを使う必要があります。いつも同じ精油を使い続けるよりは、ときに異なる精油を使ったり間隔をあけることがお薦めです。フロクマリン類の含んだ精油は紫外線に反応する光毒作用があるため、使用後12時間は肌を日光にさらさないでください。
精油を使ったマッサージをする前にパッチテストすることが安全です。アレルギーテストは、使用する精油を10倍ほどに希釈し、肘の内側に軽く塗り、24時間放置して反応をみます。
精油は劣化を防ぐため冷暗所に保管し、古くなった精油、植物油は使用しないでください。火気の周りでの使用、保管は避けてください。
乳幼児(3才未満)へ精油の使用は避けたほうが良いようです。高齢者、妊婦の方へのアロマテラピーは慎重に行うべきですが、極端な方法をとらなければ問題はありません。妊婦の方には通経作用がある精油は控えてください。控えめな芳香浴は安全な方法ですので、乳幼児から高齢者まで安心して行うことができます。
過去に起きたアロマテラピーの大きな事故はほとんどが内服によるものです。常識的な方法でアロマテラピーを行う場合、それほど恐れる心配はないと思います。その中で最も可能性が高いと思われる接触皮膚炎など皮膚のトラブルには充分注意してください。