アロマテラピーは嗅覚からの働き以外にも体に対する有益な効果があります。その効果はアロマテラピーの方法によって変わります。
精油の芳香分子は嗅覚以外に、肺からも取り入れられます。鼻や口から入った精油の分子は肺に届き、肺胞から血液に取り込まれます。その際、鼻の内皮からも微量に吸収されています。この吸入は呼吸器に対して殺菌消毒、鎮咳、去痰などの効果を期待できます。
体内に取り込まれた精油の分子は血液中を巡り活動しますが、その量は経皮吸収の10分の1ほどのため、この場合は皮膚から吸収させたほうが高い効果を望めます。
精油を芳香、吸入する他に、精油成分を皮膚から取り込むアロマテラピーがあります。皮膚は角質層で水の吸収を防ぎますが、精油は親油性のため、皮膚の真皮まで浸透します。精油成分は皮膚を殺菌し新陳代謝を促すだけではなく、鎮痛作用など様々な効果をもたらします。精油は非常に濃縮されたもので刺激が強いので精油を皮膚に適用する場合、必ず植物油で低濃度まで希釈する必要があります。
古くから行われてきたアロマテラピーの方法に精油の内服があります。消化管を通して精油成分を体内に吸収させます。主にフランスの医療機関で行われています。芳香やマッサージでは期待できない効果を得ることができますが、アロマテラピーでの深刻なトラブルはほとんどがこの方法によってもたらされているため、精油の内服は絶対に避けてください。
アロマテラピーがここまで普及したのは香りの素晴らしさ、楽しさに加えて体に対して有効な働きが立証されてきたためです。アロマテラピーは精神面、身体面の健康に効果的な方法です。よい良い効果を引き出すために、極端な使用は避け安全に行ってください。